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蒔田演芸会17(後編) [落語]

前編に続き、蒔田演芸会の後編です。中入り後、後半の噺が始まりました。

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  中入りが過ぎて後半に、残すは4つの出番のみとなりましたが・・・

・「六尺棒」:ど楽さん
関東学院の生徒さんかな?楠利家 ど楽(くすりや どらっく)との事^^;さすが中入り後に
上がってくる方なので上手いですね。
戸を叩いて店の若い者たちの名前を呼ぶが、起きているのは口やかましい親父さん
「夜分ドンドンと戸を叩くのはどなたですか。商人(あきんど)の店は22時限りですから
お買いものでしたら明朝に願います」。そしたら「せがれの孝太郎です」
親父さん「孝太郎のお友達ですか。あんな道楽者でやくざなせがれは、親類一同相談の
上で勘当しました、もう帰って来なくともいい、とお言付け願いますよ」と
孝太郎が「行くところがないから死んでしまおうかな」と、親父は「死ぬ死ぬと言って
死んだためしがないと、お言付けください」と切り捨てた。
孝太郎は「この家を他人に取られるのはいやだから、火をつけて燃やしてしまいます」
と大声でおどす。戸の隙間から見るとマッチを擦っている。本当にやりかねない
近所の手前もあるので親父は六尺棒を持って戸を開けて外に出て、逃げ出した孝太郎を
追いかけます。
町内を逃げ回り物陰に隠れて親父をやり過ごした孝太郎が家まで戻ると、戸が開いて
いる。これ幸いと中に入って心張棒をかってしまう。そこへ親父が戻って来た。
用心のために番頭が戸を閉めてくれたのだと思って戸を叩くと、中から「夜分ドンドン
と戸を叩くのはどなたですか。商人の店は22時限りですから、お買いものでしたら明朝
に願います」と先ほどの親父の台詞を。親父さん「俺だ、俺だ、親父の孝右衛門だ」 
孝太郎は「孝右衛門のお友達でございますか。しみったれて金を貯め、しまいには身上
(しんしょう)をどんなに大きくするか分かりません。あんな親父は世の中のためになり
ません。親類一同相談の上、勘当したとお伝えください」と
親父さん「そんなにまねがしたければ六尺棒持って追っかけて来い」と

・「ブルーグラス」:Jプロジェクトバンド
今回はよーちゃんさんが いつものバンジョー以外に、ウクレレも弾いています。
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この後Jプロさんは伊勢佐木町に移動し、そこで2つ目のライブです。自分も蒔田が
終了したら、追っかける予定です。

・「松曳き」:小圓鏡さん
さて残すは小圓鏡さんと藤助さんのみなのですが、小圓鏡さんが高座に上がった段階
では、まだ藤助さん到着していなかったのです^^; 時間は16:30です。小圓鏡さんは
「藤助さん来てないので自分が引っ張る事になるけど、いつまで引っ張れば良いん
ですかね・・・」とマクラを長めに取っています。とは言え本題をと噺がスタート。
で藤助さんが到着した?のは16:45ぐらいですかね・・・
殿様が「月が松の木に隠れてしまうから泉水の脇に移せと」家老の田中三太夫命じた。
しかし、その移そうとしている松は先代のお手植えの築山の赤松、万一枯らしては
一大事と、出入りの植木屋に聞くことにする。殿様は植木屋に直に聞くと言う。
三太夫は植木屋の八五郎に無礼がなきよう、上に「お」下に「奉る」をつけて答える
ようにと言い渡す。殿様の前に出た八五郎「お・・奉る」を連発し、殿様も三太夫も
自分も何を行っているのか分からない。
殿様は友達に話すようにざっくばらんに申せと言う。そうなればしめたもの すらすら
とべらんめえ調でまくしたてるが、今度は早すぎて殿様には分からない。要は赤松を
移すのは簡単で枯らすことなどないという返事だった。
殿様は安心して喜び、植木屋一同に酒をふるまう。宴たけなわの頃、三太夫に国許
(くにもと)から早馬で書状が来たのですぐ戻れとの使いが来た。家老部屋に戻って書状
を読むと、「御殿様姉上様御死去」とある。
一大事とあわてて殿様の元へ戻った三太夫は「御殿様姉上様御死去」と知らせる。
殿様は驚き「何時ご死去された」と聞く。三太夫はそこまでは読まなかったと部屋に
戻り再読だ。すると「御貴殿姉上様御死去」だった。「これは大失態、切腹して殿に
お詫びしよう」と言うのを家来が引き止め、殿に誤りを言上してからでも遅くないと
諭され再び殿の御前へ。
人違いと聞いて怒った殿様は三太夫に切腹を命じる。三太夫が腹を切ろうとすると、
殿様「待て待て三太夫、切腹には及ばん、よう考えたら余に姉はなかった」

・「都志賀の死」:藤助さん
小圓鏡さんが引っ張って、17時ぐらいで噺が終わりました。藤助さん来ないと思った
のかな・・・予定では17時で追い出しの太鼓が鳴る時間ですから。
で藤助さん「ちょっとした小咄で終わらせるのも失礼」と言う事で今回は怪談話を
タップリと聴かせてくれました。
江戸・根津七軒町に住む、豊本の師匠・豊志賀は37歳。男嫌いが売り物で、男の弟子
からも女の弟子からも評判が良く繁盛している。その豊志賀の大勢に弟子のなかで21歳
になる新吉がいる。ある嵐の晩、豊志賀は自宅にこの新吉を泊めたことからついつい
2人は深い仲になる。親子ほどに年が離れた2人だが豊志賀は新吉が可愛くてたまら
ない。いつしか2人は一緒に暮らすようになる。豊志賀の父親は皆川宗悦(そうえつ)と
いって按摩の金貸しであったが、今から20年前 豊志賀が17歳の時に深見新左衛門という
旗本に殺される。その新左衛門の倅が新吉で、当時まだ生まれたばかりであった。
2人の関係が深まるにつれて、男の弟子も女の弟子もどんどん辞めていく。そのなかで
小間物屋の羽生屋の娘、お久は相変わらず稽古に通う。新吉、お久はお互いに顔を見て
ニッコリ笑う。こんなお久に豊志賀はヤキモチを焼くようになる。それから豊志賀は
稽古に来るお久に対して辛くあたる。それでもお久は稽古を辞めず豊志賀のヤキモチは
ますます深まり、新吉と痴話喧嘩することも増える。
やがて豊志賀の目の下にニキビのようなデキモノがブツっとできズキズキと痛む。それが
どんどん膨れ上がり、半月も経つと顔の半面に紫色に広がっていく。一方の目が腫れ
ふさがり櫛ですくと髪の毛が次々と抜け落ちる。痛みも激しくなって食べ物が喉を通ら
なくなり どっと病の床に就く。新吉は薬を与え甲斐甲斐しく看病するが、豊志賀は次第
に新吉に対する恨み言をいうようになる。「新さん。前が私を捨ててお久と一緒になっ
たら私はお前を取り殺すよ」こんなことを毎晩毎晩繰り返し言う。新吉は気味が悪くて
しょうがない。大門町に住む叔父の勘蔵に相談して下総の叔母のところへ逃げようかと
考えるようになる。
ある晩、豊志賀が寝たのを見計らって、新吉は外へ逃げ出す。そこでちょうど提灯を
さげたお久と出会った。2人寿司屋の座敷へ入る。お久は義理の母親から辛い仕打ちを
受けている いっそのこと下総の羽生村の叔父さんの家へ逃げたいと思っているのだが
女ひとりでは叶わぬことだと話す。「一緒に逃げよう」新吉は言う。これを聞いたお久の
顔が突然半面紫色になり「新さん、あなたはなんと不実な・・・」と言って新吉の胸倉を
ぐっと掴む。新吉は慌てて寿司屋を飛び出し、父の勘蔵の家へと逃げ込む。 勘蔵は新吉
がいないことに気付いた豊志賀が駕籠でここに来ていると言う。障子を開けて、新吉と
豊志賀は対面する。豊志賀は物凄い形相で新吉を見つめる。身体が治ったら新吉には
好きな嫁を貰わせるので、もう少し一緒にいて欲しいと言う。豊志賀に帰って貰うため
勘蔵は駕籠を呼ぶ。新吉は豊志賀を抱いて駕籠の中に入れる。
その時、勘蔵の家の戸を叩く音がする。長屋の衆が新吉を訪ねてきた。豊志賀が死んだと
言うのだ。ウーンウーンと唸りながら台所へ水を飲みにいくところで、転んで流しの角に
顔をぶつけ右の目が飛び出していると言う。そんな馬鹿なことがあるか。現に豊志賀は
ここに来ているではないか。勘蔵が駕籠の引き戸を開けると、そこには豊志賀はいない。
先ほどここにいたのは豊志賀の幽霊だったのだ。
新吉、勘蔵ら3人は根津七軒町の長屋へと向かう。豊志賀の布団の間には書置きがあり
「お前のような不人情な奴はない。私はお前を呪って死ぬ。お前が女房を持ったならば
7人までは取り殺すからそう思え」こう書いてある。その晩に通夜、翌日弔いに出す。
8月26日、勘蔵に連れられて新吉は墓参りに行き、ここでお久と出会う。新吉はお久と
駆け落ちし江戸を離れて下総国へと向かう。松戸の宿で初めて2人枕を交わし、翌日の
真夜中、累ヶ淵と言われる鬼怒川の土手に辿り着く。雨がポツリポツリと降り出し
稲光が光る。お久は怖がり新吉に抱き着く。お久が土手の上からツルツルと滑り草刈鎌が
膝の上にブスリと刺さる。新吉は手拭でお久の足を縛り負ぶって歩く。「あなたが私を
見捨てるのが心配でなりませんわ」と背中のお久は新吉に語りかける。新吉がお久の顔を
見ると死んだ豊志賀にそっくり。新吉は手に持っていた鎌を振り回し、お久の喉元を
ブッスリと刺す、お久はそのまま絶命した。新吉は慌てて逃げるが、激しい雷鳴と雨が
降る。傍らの茂みでガサガサと音がして豊志賀の顔が浮かぶ。「豊志賀、迷ったな!」
さて恐ろしき、執念じゃなぁ。

  藤助さんの噺が終わり、追い出しの太鼓が鳴り響きました。
  自分含め まこさん、 Rchoose19さんの3人で伊勢佐木町へ
  向かいます。当初は歩いて行こうかと思ったのですが、既に
  17:45なので、タクシーで行こうかと思ったら藤助さんから
  「ここはタクシーあるようで無いから地下鉄で行った方が
  間違い無いよ」と教えてもらい、地下鉄で向かう一行です。

さて蒔田の記事はこれでお仕舞い・・・^^;
ちなみ次回の蒔田演芸会は10/16(土)との事、この時はコロナも落ち着いていて
気兼ねなく、来られるようになっていると良いんですがね・・・

では。

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コメント 17

YUTAじい

おはようございます。
いつになったら日常が・・・
コロナ禍・・・大雨踏んだり蹴ったりですねぇ・・・( ´艸`)
〆はオリンピック強行。
by YUTAじい (2021-07-04 06:25) 

ぼんぼちぼちぼち

よーちゃんさん、相変わらずご活躍されてて何よりでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-07-04 10:11) 

kinkin

>YUTAじいさん
こんにちは、いつもご覧いただきありがとうございます。
ですね、すべてがスカーッと晴れ晴れして欲しいですね。

>ぼんぼちぼちぼちさん
こんにちは、いつもご覧いただきありがとうございます。
よーちゃんさん、いつもながらアクティブにされてますよ。

by kinkin (2021-07-04 11:47) 

美美

楽しい時間を過ごされたようですね。
ほんと、色々な制限が無くゆっくり楽しむことが出来るようになると良いですね。コロナも災害のもうたくさんです!
by 美美 (2021-07-04 16:58) 

kinkin

>美美さん
こんばんは、いつもご覧いただきありがとうございます。
いつもながら、楽しい一時を過ごさせて頂きました。
次回はコロナに気兼ねなく季候も良い状態で楽しみたいですね・・・
by kinkin (2021-07-04 19:26) 

みち

次回の10月には新コロナを忘れて楽しめるようになっていると良いですね。
by みち (2021-07-04 20:28) 

くまら

羨ましいなぁ~
早くコロナが落ち着いて
おいらも仕事が落ち着いたら、その時は
噺を聞きに行きたいです
by くまら (2021-07-04 22:53) 

kinkin

>みちさん
おはようございます、いつもご覧いただきありがとうございます。
10月はマスク無しで、大いに笑いたいですね。

>くまらさん
おはようございます、いつもご覧いただきありがとうございます。
寄席も経営難に陥っていますからね、先月末までクラウド
ファンディングで支援募集していて1億円以上集まったようです。
自分も僅かですが支援しました。

by kinkin (2021-07-05 05:18) 

さる1号

次は10月ですか
忘れないようにしなければ
都志賀の死、怖そうだなぁ
by さる1号 (2021-07-05 10:19) 

kinkin

>さる1号さん
こんにちは、いつもご覧いただきありがとうございます。
カレンダーに〇を付けておいて下さいね^^;
結構怖い噺でした・・・
by kinkin (2021-07-05 17:01) 

ちょろっとぶぅ

よーちゃんさん、元気に活躍でなにより。
で・・・追っかけちゃったのね(^∞^;
by ちょろっとぶぅ (2021-07-05 17:26) 

kinkin

>ちょろっとぶぅさん
こんばんは、いつもご覧いただきありがとうございます。
骨折していましたが元気になられましたよ・・・
蒔田だけでバイバイは、あり得ないでしょ!!^^;
by kinkin (2021-07-05 19:05) 

YUTAじい

おはようございます。
お祝いコメントありがとうございます。
by YUTAじい (2021-07-06 05:48) 

kinkin

>YUTAじいさん
こんにちは・・・ワクチン接種は大丈夫でしたか?
奥様に祝って頂けるのかな^^;
by kinkin (2021-07-06 17:02) 

Rchoose19

老舗の親子の話面白かったですね♪
彼はまだ、高校生なんですね~~。
何年か後には本職になっているのかしら?
プロのお二人の話は流石だなぁと思いました。
何だか無料で聞けちゃって申し訳ないくらい^^;
藤助さん、力入っていましたねぇ~~。
by Rchoose19 (2021-07-07 08:08) 

johncomeback

拙ブログへお祝いコメントありがとうございます。
38年も経つとお互い空気のような存在になりますね(´д`)
by johncomeback (2021-07-07 19:51) 

kinkin

>Rchoose19さん
おはようございます、いつもご覧いただきありがとうございます。
関東学院の生徒さん達は上手いですよね・・・
小圓鏡さん藤助さんの噺はどんどん引き込まれていきます。
そして、ちょっと前まで蒔田で噺ていた柳家六君さんは今年は
真打ち昇進です。彼の真打ち昇進興行は行かないとね^^;

>johncomebackさん
おはようございます、いつもご覧いただきありがとうございます。
自分も結婚して30年は経ちますが、同じような感覚ですね。

by kinkin (2021-07-08 04:25) 

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